パートナーシップを通じて既存のマテリアルズ・インフォマティクス専門チームを強化、最適な専用の計算ソリューションで継続的な成長に拍車
2023年2月11日、テキサス州オースティン-科学分野のデジタル変革を推進するEnthought は本日、日本の化学品メーカーのレゾナック(旧昭和電工)がEnthoughtのMI(マテリアルズ・インフォマティクス)推進プログラムを採用したことを発表いたします。これにより同社は、社内のデジタル研究開発能力を拡大し、新しい化学品や素材の継続的な開発を図ります。
2023年1月1日、昭和電工と昭和電工マテリアルズ(旧日立化成)が統合し、持株会社の「レゾナック・ホールディングス」と製造事業会社の「レゾナック」が誕生しました。この統合により、レゾナックは、旧昭和電工の石油化学品、黒鉛電極、基礎化学品事業と旧昭和電工マテリアルズの半導体・電子材料事業を併せ持つ企業となりました。同社は、「化学の力で社会を変える」を新たなパーパスに掲げ、特殊化学品製造のグローバルリーダーになろうとしています。
世界的な化学企業が高まる競争上のプレッシャーにさらされている状況で、データサイエンスを活用してディスカバリーとイノベーションを劇的に加速させる、信頼性の高い手法であるマテリアルズ・インフォマティクス(MI)は登場しました。EnthoughtのMI推進プログラムは、データを活用して知識と直感を養うための包括的なアプローチです。レゾナックのような意欲的な企業が、高精度・効率的なラボでの意思決定によって専門市場での競争力を高め、革新的な新製品を迅速に上市することができます。
レゾナックの計算情報科学研究センター長である奥野好成氏は、次のように述べています。「かねてより、Enthoughtのデジタル・イノベーションに対するアプローチとMI分野における世界屈指の専門知識には感銘を受けていました。教育、解析、ソフトウェア工学が一つになった科学分野におけるEnthought独自の課題解決アプローチにより、他社とは一線を画す形で有用なソリューションを即座に編み出し、経験値と能力を今後いっそう高めていくことができます。」
AI分析グループ長の竹本真平氏は次のように続けます。「レゾナックでは、MIがもたらす変革の効果を理解した上で、この分野の能力を伸ばし、ツールセットを拡張してきました。当社がもう一段上へと進み、計算ソリューションを全社的な製品開発に落とし込むためには、Enthoughtという最適なパートナーが必要でした。」
- Enthoughtをパートナーに迎えるまで、レゾナックでは既存の学習パイプラインの拡張と計算科学技術チームの構築に取り組んできました。Enthoughtが導くパートナーシップにより、次のことが実現します。
引き続き社内のMI能力を構築し、深めていく。 - 製品開発と効率を向上させる新たなMIソリューションを確立する。
- Enthought Edgeを活用して、データの管理と分析を行い、カスタムアプリケーションを展開する。
- 今後のデジタル研究開発を主導する人材を発掘し、養成する。
- Enthoughtの優秀なサイエンティスト&エンジニアチームと継続的に連携し、全社的なデジタル文化変革を推進する。
Enthoughtの材料科学ソリューション担当バイスプレジデントのクリス・ファローは次のように話します。「レゾナック社は、数年間にわたって強固なMI・技術チームの基礎固めを行ってきました。そのチームが持っている専門知識は非常に素晴らしいものだと思います。Enthoughtでは、チームに寄り添って新しい考え方を提示し、すでにある能力を強化する方法を編み出し、全社的な成長を推進していく所存です。」
Enthought独自のマテリアルズ・インフォマティクス推進プログラムについてはこちらから、Enthought Edgeを活用したデータ管理についてはこちらから、詳細をご確認いただけます。
Enthoughtについて
Enthoughtは、科学分野のデジタルトランスフォーメーションを推進しています。Enthoughtの技術と深い科学的専門知識は、迅速な発見と継続的な革新を可能にしています。また、デジタルを駆使できる従業員を育成して分析可能な科学データを利用可能にすることで、従業員が科学とビジネスにおける価値創出の促進者になるようにしています。Enthoughtは、電子、半導体、材料設計、製造、製薬、バイオテクノロジー、エネルギー、消費財の各市場の組織を変革することを専門としています。Enthoughtは、テキサス州オースティンに本社を置き、テキサス州ヒューストン、英国ケンブリッジ、スイスのチューリッヒ、日本の東京にもオフィスを構えています。詳細情報については、www.enthought.comをご覧ください。また、リンクトインとツイッターで、Enthoughtをフォローしてください。
Media Contact
PAN Communications
Lauren Force, +1(617) 502-4366
+++
Related Content
R&D イノベーションサミット2024「研究開発におけるAIの大規模活用に向けて – デジタル環境で勝ち残る研究開発組織への変革」開催レポート
去る2024年5月30日に、近年注目のAIの大規模活用をテーマに、エンソート主催のプライベートイベントがミッドタウン日比谷6FのBASE Qで開催されました。
科学研究開発における小規模データの最大活用
多くの伝統的なイノベーション主導の組織では、科学データは特定の短期的な研究質問に答えるために生成され、その後は知的財産を保護するためにアーカイブされます。しかし、将来的にデータを再利用して他の関連する質問に活用することにはあまり注意が払われません。
科学研究開発リーダーが知っておくべき AI 概念トップ 10
近年のAIのダイナミックな環境で、R&Dリーダーや科学者が、企業の将来を見据えたデータ戦略をより効果的に開発し、画期的な発見に向けて先導していくためには、重要なAIの概念を理解することが不可欠です。
科学における大規模言語モデルの重要性
OpenAIのChatGPTやGoogleのBardなど、大規模言語モデル(LLM)は自然言語で人と対話する能力において著しい進歩を遂げました。 ユーザーが言葉で要望を入力すれば、LLMは「理解」し、適切な回答を返してくれます。
ITは科学の成功にいかに寄与するか
科学と工学の分野においてAIと機械学習の重要性が高まるなか、企業が革新的であるためには、研究開発部門とIT部門のリーダーシップが上手く連携を取ることが重要になっています。予算やポリシー、ベンダー選択が不適切だと、重要な研究プログラムが不必要に阻害されることがあります。また反対に、「なんでもあり」という姿勢が貴重なリソースを浪費したり、組織を新たなセキュリティ上の脅威にさらしたりすることもあります。
Life Sciences Labs Optimize with New Digital Technologies and Upskilling
Labs are resetting the tr…
From Data to Discovery: Exploring the Potential of Generative Models in Materials Informatics Solutions
Generative models can be used in many more areas than just language generation, with one particularly promising area: molecule generation for chemical product development.