レゾナック社、エンソートのMIアクセラレーション・プログラムの採用を拡大

レゾナック社、エンソートのMIアクセラレーション・プログラムの採用を拡大

デジタル人財の育成と製品開発の推進に重要な役割を果たす

 

科学研究開発のデジタル変革を推進するエンソート合同会社(所在地:東京都港区 代表:溝上勝功、以下:エンソート)は本日、日本の機能性化学メーカーである株式会社レゾナック(所在地:東京都港区 代表:髙橋秀仁、以下:レゾナック)が、エンソートのマテリアルズ・インフォマティクス(MI)アクセラレーション・プログラムの採用を拡大したことを発表しました。MIを研究開発に統合することで、新規材料製品開発を飛躍的に加速することができますが、その成功のためには、研究者が機械学習や情報科学などの知識とスキルを習得する必要があります。エンソートのMIプログラムは、データを最大限に活用することで得られる知識や洞察を新たな価値の創出に活かすための包括的な戦略を策定し、実行する支援をします。

レゾナックの研究者は、エンソートMIの専門家の指導の下、材料データをモデリングするための最先端の機械学習と AI スキルを身につけただけでなく、プロジェクトの計画、プロトタイプの開発、取り組みの発表などの実地経験も積みました。これは大きな成果をもたらし、レゾナックは1年足らずで、このユニークなイマージョン・プログラムの参加者数をほぼ倍増させました。2024年には、レゾナックは当初の参加者数の3倍を計画し、両社のパートナーシップ延長は科学者のスキル向上に一層貢献する見通しです。

レゾナックのフェロー 兼 計算情報科学研究センター長 奥野好成氏は、次のように述べています。「エンソート社とのパートナーシップの成果には大変満足しています。MIのコンサルティング・サイエンティストと共に学ぶ伴走型の人材育成は、当社の競争力強化に寄与しており、研究者たちは、イノベーションを推進する考え方を身につけてきています。」

MI手法の中核には、AIや機械学習ツールを活用して堅牢なソフトウェアアプリケーションを作成し、物理や化学の原理だけに頼ることなく、産業界の真の課題に取り組む能力があります。エンソートが提供するMIアクセラレーション・プログラムの最大の差別化要因は、このMI手法を熟知した技術チームです。エンソートのチームは、レゾナックから参加する科学者やエンジニアが、ラボで効率的な意思決定を行い、最終的に新製品を迅速に市場に投入するという結果を確実にもたらすよう支援します。

エンソートは、これまでにレゾナックの科学者がさまざまなMIプロジェクトを推進するのを支援してきました:

  • 予測モデルを使用して、機能性化学品開発のための複雑な材料設計空間の探索を支援するアプリケーション 
  • 最新の自然言語処理ツールを使用して学術文献からポリマー特性データを抽出した、目的に応じたトレーニングデータセット
  • ディープラーニングを用いた品質管理モニタリングのための堅牢な自動画像検査システム
  • 機械学習による化学計算の高速化

「MIを効果的に導入することは、新技術の適用や新しいプラットフォームの採用にとどまらず、人、プロセス、技術を変革することになります。エンソートのMIアクセラレーション・プログラムの目標のひとつは、まさにそれを実現し、科学者の考え方に革命を起こすことです。私はレゾナック社の研究者が変貌を遂げ、新しいアプローチを業務に取り入れる準備が整っているのを目の当たりにし、満足しています。来年も引き続き彼らの成功を促進できることを楽しみにしています。」と、エンソートのMI部門プロフェッショナルサービス&カスタマーサクセス担当ディレクターであるMike Heiber博士は述べました。

レゾナックの科学者たちは、幅広いMI技術を探求しただけでなく、MIプロジェクトを推進するためのより効率的で強固な手法を迅速に採用し、その恩恵はプログラム外の科学者たちにも及びました。また、開発されたソフトウェアツールのいくつかは、より広範な影響を及ぼし、関連する新たなビジネス課題に適応して新たな可能性を開きました。

エンソートのMIアクセラレーション・プログラムの詳細については、以下をご覧ください。
https://enthought.jp/materials-science-chemistry/materials-informatics-acceleration-program/

 

エンソートについて

エンソートは、独自の技術と深い科学的専門知識で研究開発におけるデジタルトランスフォーメーションを支援し、科学的発見の加速と継続的な革新を推進しています。独自のプロセス、人材、テクノロジーを横断して変革するアプローチにより、デジタルを駆使できる研究者を育成し、分析可能な科学データの活用を加速させることで、ラボが科学とビジネスにおける価値創出の促進者になるようにしています。
エンソートのアプローチは、電子、半導体、材料設計、製造、製薬、バイオテクノロジー、エネルギー、消費財に及ぶ様々な業界で研究開発組織の変革を支援しています。本社は、テキサス州オースティンに位置し、日本の東京、英国ケンブリッジ、スイスのチューリッヒにもオフィスを構えています。

詳細情報については、www.enthought.jpをご覧ください。また、Facebook、リンクトインとX(旧ツイッター)でも、エンソートの情報をご覧いただけます。

 

Resonac(レゾナック)グループについて

レゾナックグループは、半導体・電子材料、モビリティ、イノベーション材料、ケミカル等を展開し、川中から川下まで幅広い素材・先端材料テクノロジーを持つ化学会社です。2023年1月に昭和電工グループと昭和電工マテリアルズグループ(旧日立化成グループ)が統合し、新たなスタートを切りました。新社名の「Resonac」は、英語の「RESONATE:共鳴する・響き渡る」と、Chemistryの「C」を組み合せて生まれました。レゾナックは「共創型化学会社」として、共創を通じて持続的な成長と企業価値の向上を目指しています。2023年度の売上高は約1兆3千億円、うち海外売上高が53%を占め、世界22の国や地域にある製造・販売拠点でグローバルに事業を展開しています(2024年2月時点)。詳しくはウェブサイトをご覧ください。

株式会社レゾナック・ホールディングス https://www.resonac.com/jp/

 

報道関係者様からのお問い合わせ先

Enthought 広報事務局

担当:ジェレミー、大木、馮

Email: contact@kartz.co.jp 

Tel: 03-6427-1627

 

米国メディア連絡先

PANコミュニケーションズ

Enthought@pancomm.com

 

#レゾナック #Resonac #マテリアルズインフォマティクス #materialsinfomatics # MI #研究開発DX #AI #材料開発

Share this article:

Related Content

研究開発組織の変革を成功させるためのパートナー選び

現在の競争が激しいR&D環境において、適切なテクノロジーパートナーを選ぶことは、組織にとって最も重要な意思決定の1つです。理想的なパートナーとは、単なるツールベンダーやシステムインテグレーターではなく、生産性を向上させ、イノベーションを加速し、競争力を引き出す解決策を提供する科学的な専門知識と戦略的な洞察を兼ね備えた「変革の同志」です。

Read More

「AIスーパー・モデル」が材料研究開発を革新する

近年、計算能力と人工知能の進化により、材料科学や化学の研究・製品開発に変革がもたらされています。エンソートは常に最先端のツールを探求しており、研究開発の新たなステージに引き上げる可能性を持つマテリアルズインフォマティクス(MI)分野での新技術を注視しています。

Read More

デジタルトランスフォーメーション vs. デジタルエンハンスメント: 研究開発における技術イニシアティブのフレームワーク

生成AIの登場により、研究開発の方法が革新され、前例のない速さで新しい科学的発見が生まれる時代が到来しました。研究開発におけるデジタル技術の導入は、競争力を向上させることが証明されており、企業が従来のシステムやプロセスに固執することはリスクとなります。デジタルトランスフォーメーションは、科学主導の企業にとってもはや避けられない取り組みです。

Read More

産業用の材料と化学研究開発におけるLLMの活用

大規模言語モデル(LLM)は、すべての材料および化学研究開発組織の技術ソリューションセットに含むべき魅力的なツールであり、変革をもたらす可能性を秘めています。

Read More

材料科学研究開発ラボのデジタルトランスフォーメーション

「デジタルトランスフォーメーション」「機械学習」「…

Read More

科学研究開発における効率の重要性

今日、新しい発見や技術が生まれるスピードは驚くほど速くなっており、市場での独占期間が大幅に短縮されています。企業は互いに競争するだけでなく、時間との戦いにも直面しており、新しいイノベーションを最初に発見し、特許を取得し、市場に出すためにしのぎを削っています。

Read More

R&D イノベーションサミット2024「研究開発におけるAIの大規模活用に向けて – デジタル環境で勝ち残る研究開発組織への変革」開催レポート

去る2024年5月30日に、近年注目のAIの大規模活用をテーマに、エンソート主催のプライベートイベントがミッドタウン日比谷6FのBASE Qで開催されました。

Read More

科学研究開発における小規模データの最大活用

多くの伝統的なイノベーション主導の組織では、科学データは特定の短期的な研究質問に答えるために生成され、その後は知的財産を保護するためにアーカイブされます。しかし、将来的にデータを再利用して他の関連する質問に活用することにはあまり注意が払われません。

Read More

デジタルトランスフォーメーションの実践

デジタルトランスフォーメーションは、組織のデジタル成熟度を促進し、ビジネス価値を継続的に提供するプロセスです。真にビジネスを変革するためには、イノベーションを通じて新しい可能性を発見し、企業が「デジタルDNA」を育む必要があります。

Read More

科学研究開発リーダーが知っておくべき AI 概念トップ 10

近年のAIのダイナミックな環境で、R&Dリーダーや科学者が、企業の将来を見据えたデータ戦略をより効果的に開発し、画期的な発見に向けて先導していくためには、重要なAIの概念を理解することが不可欠です。

Read More